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坊主頭が好きだ

坊主頭が似合う男性について語ります。

「夢の中の男」第20回

○衛元の屋敷 (朝)
 慧・定児・サンポーは屋敷に自分達以外には誰もいないことに気付く。しかも、すべての戸と窓に鍵が掛かっていて外に出られない。
衛元の声「見事にひかかりましたね。みなさんはこの屋敷から生きては出られませんよ」
 慧達は各部屋を見て回る。

○第一の部屋
 定児が戸を開ける。部屋の中は紅蓮の炎。定児はあわてて戸を閉める。

○第二の部屋
 定児が戸を開ける。部屋の中には滝がある。定児はすぐに戸を閉める。

○第三の部屋
 定児が戸を開ける。部屋の中から強い風が吹いてくる。定児はすぐに戸を閉める。

○第四の部屋
 定児が戸を開ける。部屋の中にたくさんの本のあるのが見える。慧達は部屋の中に入る。すると、男の声がする。
ボルヘスの声「(スペイン語で)バベルの図書館へようこそ」
 慧達が奥に進むと、本から次々と声が聞こえてくる。
ヘラクレイトスの声「(ギリシャ語で)万物は流転する」
ブッダの声「(サンスクリット語で)色即是空、空即是色」
荘子の声「(中国語で)周の夢に胡蝶となるか、胡蝶の夢に周となるか」
江戸川乱歩の声「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」
 慧は興味深そうな表情をして、さらに進もうとするが、
定児「なんか頭が痛くなってきた。ここを出よう」と言って、慧を部屋の外に連れ出す。サンポーも外に出る。

○廊下
 慧達は廊下にいる。
定児「どうすればこの屋敷から出られるんだ」
サンポー「慧、青蓮華の指輪の力を使いなさい」
 慧は目をつぶり合掌して屋敷から脱出することを考える。しばらくして、目を開けて言う。
慧「炎の部屋に行きましょう。そこで僕が呪文を唱えますから、定児さんが刀で道を切り開いてください」
定児「炎の中に飛び込めというんだな」
慧「僕を信じてください」
定児「いつも信じているよ」と言って、にっこり笑う。


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「夢の中の男」第19回

○衛元の屋敷、大広間
 慧と定児が風呂から上がって大広間に戻ると、既にサンポーは戻っていて、宴の用意もできている。慧と定児は豪華な料理を味わいながら話す。
慧「僕は未成年だからお酒は飲めませんが、成人しても飲みたいとは思いません。スイーツのほうがいいですよ」
定児「(少しからかうような口調で)なんか女の子みたいだな」
慧「(わざとムッとした表情をして、少し怒ったような口調で)それ一番言われたくないことなんですが」
定児「(申し訳なさそうな感じで)すまん、失言だった」
慧「(まだ怒っているふりをして)許しません」
定児「頼む、許してくれ」と言って、頭を下げる。
慧「僕の言うことをなんでも聞いてくれれば許しますよ」
定児「何でも聞く」
慧「じゃあ、定児さんの頭をなでさせてください」
定児「ほら」と言って、慧のほうに頭を向ける。
慧「(定児の頭を両手でなでながら)坊主頭をなでなでするのって気持ちいい」
定児「俺もなんか妙な気持ちになってきた」
サンポー「(衛元に)だいぶ夜遅くなりましたので、そろそろ休みたいのですが」
衛元「そうですね」と言って、使用人の男を呼び、
衛元「みなさんをお部屋に御案内しなさい」
 慧と定児が立ち上がると、
サンポー「定児、随分酔っているみたいだから、早く寝たほうがいいわよ」

○衛元の屋敷、寝室
 畳敷きの和風の部屋。床の間には菊の花が生けてある。サンポーは止まり木で寝ていて、慧と定児はふとんに寝ている。
慧「定児さん、もう寝ましたか」
定児「いや」
 慧は定児のほうに身体を寄せ、定児の手を握る。
慧「このままでいいですよね」
定児「手をつなぐだけでいいのか」
慧「はい」


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性別:
男性

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